魅力的なボイスドラマの作り方《トキワコラムvol.14》

シナリオ作家集団トキワ

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自社ブランディングの資料を何か作ろうとしたとき、おそらくほとんどの人が映画や舞台を思い浮かべるでしょう。ところが予算面においてどうしても手が出しづらいと感じてしまい、失敗を恐れて勇気が出ない人がほとんどだと思われます。

そこでおすすめするのが、ボイスドラマです。

 

 

映画や舞台と同じくオリジナルのシナリオをオリジナルのキャストで製作することができ、短い尺であれば少なめの予算で日数もわずか1日で行うことが可能なのです。

今回はそんなボイスドラマが持つ魅力について語っていきたいと思います。

 

<音の世界が持つ無限の可能性>

ボイスドラマの魅力、それは音によってジャンルや時代を飛び越える物語が作れること。

現代劇はもちろん、幕末の時代劇に西洋の産業革命、果ては遥か未来のファンタジーな世界まで音さえあればどんな話だっていともカンタンに作ることができるのが何よりの強みです。

また目に入る映像と違って特定の具体的な像がないため、声から聞く人それぞれに違うキャラクターをイメージさせることができるという点もあります。

 

 

<ボイスドラマの作り方>

では、どのようにしてボイスドラマは作られているのでしょうか?

 

1.企画書

役者とマネージャーへの恋文、それが企画書。

脚本家は脚本という”物語の設計図”を書くその前に、まずは”全体の設計図”である企画を考えます。

 

・企画者の製作意図

・本編はどんな物語なのか? テーマはどういったものか?

・キャストは何名で行うか? 誰を起用するか?

・キャッチコピーや3行あらすじ

・収録場所と時期

・全体の予算

 

ドラマづくりをする際に大切にするべきことがあります。

 

客観性

・相手側(役者さんや担当マネージャー、そして聴取者)にわかりやすく伝わる内容か?

・物語が聞く方たちに寄り添い、人生のお役に立てるものか?

(例えば本編を通じて世の中に不安を抱えている人に対して希望を与えたり、新しい解決策を伝えたり、生きることへの喜びを感じさせたりするということ)

実際にたくさんの作品を観ると、ある事柄で苦しんでいる立場の人たちにスポットライトが当たり、迷い悩んで奮闘しながらも何とか前を向いて生きていく内容が多いです。

・聴取者がキャラクターに共感できるものか?

・演者さんがキャラクターを楽しく演じたいと思えるものか?

・担当マネージャーが「この企画なら役者を預けてもいい」と思えるものか?

・欲を言えば、企画の切り口は新しいものか? または現代性があるか?

 

主観性

・その作品に自分の言いたいことがあり、心からやってみたいと思えるものか?

・自分が心からワクワクしながら企画書もシナリオも書けるものか?


これらを意識すると客観と主観のバランスが取りやすく、おもしろい作品に最高のキャストが組み合わさるまさに双方がwin-winの関係にしやすいです。


なお企画書のレイアウトは、

1枚目に題名とキャスト名とその宣材写真、そして3行あらすじ

2枚目にお仕事内容の詳細について(いつ、どこで、いくらで、どんなことを)

3枚目に作者の自己紹介

4枚目以降に全体のおおまかなあらすじやプロット

といった書き方が多いです。

 

2.キャスティング

作品を実現化するために必要なのは、その世界観に合う最高のキャストです。

その方法はおもに2つあります。

 

・スカウト・

こちらから役者へオファーする方法。

身近にいる仲の良い演者さんへオファーする形でスタートさせます。

なぜならまず出来る範囲から小さく始めて、少しずつ規模を大きくしていくほうが挫折しにくく、自分のモチベーションを継続させることができるからです。

知り合いが誰ひとりいない舞台を観て、声のイメージに合う役者さんへSNSなどでDMを送ってオファーを何度か行うのもおすすめです。

おもに小劇場では終演後に面会を行っているので、観客との距離が近く、演者さんの人柄もわかるので、一緒に仕事をする際の感覚が掴みやすいです。

何事も自分からやっていくぞ!という熱意が求められます。
どれくらいの想いなのか、相手へ伝えることが重要です。

演者にオファーをすることになったらフリーの役者さんであれば直接ご本人と、あるいは芸能事務所に所属されている役者さんの場合は担当マネージャーと交渉を行います。

 

・オーディション・

芸能プロダクションにてオーディションを行う方法。

参加してくださる役者さんたちに台本を読んで頂き、こちらがイメージするキャラクターに合う人を選んでいきます。

映像よりも勝手が利きやすいボイスドラマにはひとつ注意点があり、同じ性別で近い年齢で似た声だといまはどこの誰がセリフを言っているのかわかりにくいのです。

なので性別、年齢、体格、声の高低や作品の雰囲気を踏まえながら差別化を明確にして起用するようにしております。

 

3.出演料

ギャラの相場は言い値から数万円まで幅が広いです。

たとえば、収録時間によって最低賃金の時給換算を目安にするのも良いでしょう。

(例:収録7時間の場合、およそ1万円~1万5千円程度)

役者さんが事務所の所属かフリーかによっても変わってきます。

企画書に金額を必ず明示して、相手側に出演が可能できるかどうかを確認します。

 

4.収録スタジオ

次に必要なのは、ドラマ本編を録音する場所です。

今の時代であればスマホで手軽に録音できますが、やはり演者さんとともに人の耳へ届ける物を作るにはプロのエンジニアが手掛けるプロユース機材による製作が理想的でしょう。

何よりボイスドラマには防音性能が求められます。

周囲の環境音を気にせず演者さんに楽しくお芝居をしてもらうには不可欠です。

完パケで余計な音が入ってしまってはリスナーたちに負担をかけてしまうことが考えられます。

全体の予算を踏まえたうえで、借りる場所を選びましょう。

一般的にレンタル料に別途エンジニア代を加算される場合が多く、高額になることが大いに予想されるからです。

5.公開するプラットフォーム

オーディオドラマが完成したら、それを公開する場所を選びます。

まずは配信サイトで無料公開するところから始めて、ある程度作品を公開させたら有料化へと段階を変えるようにするのがオススメです。

 

<無料プラットフォーム>

・YouTube

ご存じ、超有名な動画サイト。
アップロードが簡単で、公開も手軽に行えます。

気をつけるべき点は動画メインなので、静止画のみの長い尺だと観られにくいかもしれません。

・stand.fm

音声配信サイトであるため、まず作品をアップするにはこちらをお勧めします。

聴取者はログインの必要がなく、アクセスすればすぐに再生できる点もGOOD。

 

<有料プラットフォーム>

・apple books

Appleが運営するオーディオブックのサイト。

iphoneやipadから購入が可能で、作品の長さに応じてチャプターごとにアップロードして価格を設定できます。

・audible

Amazonが運営するオーディオブックのサイト。

機種を問わず、プレミアム会員ならオーディオブック・ポッドキャスト・オリジナル作品など数十万以上の対象作品が聴き放題。上記と同じく、自由に価格を設定できます。

 

<ボイスドラマにハマる人続出!>

 

私がボイスドラマにハマったきっかけは、TOKYO FMをはじめとしたJFN系列で毎週日曜17時より放送されているNISSAN「あ、安部礼司~BEYOND THE AVERAGE~」の存在。

東京は神田神保町にある会社・大日本ジェネラルに勤める極めて平均的なサラリーマンの安部礼司が、トレンドの荒波に揉まれながらも生きていくコメディ番組。

脇を固める個性豊かで魅力的なレギュラー陣とタイムリーなネタ、何より安部礼司の人生ステージが年齢とともに変化して描かれているので多くのリスナーの共感を呼んでおります。

現在はシーズン20に到達し、20年越え超人気長寿番組として放送中です!

 

<さいごに>

ボイスドラマの特筆すべき点は、あらゆる面で”オリジナル・ファースト”が行いやすいところにあるといえます。

とくに脚本は作品づくりすべての源といえるでしょう。

かつて「1スジ(=台本)、2ヌケ(=画面)、3ドウサ(=動作)」と映画監督・牧野省三氏が言ったように、最高な物語の土台には必ずおもしろい脚本があるものです。

それを演出家が形にして、演者が役を演じていくという順番が理想とされます。

オリジナルに強い作家がたくさん在籍するシナリオ作家集団トキワにお気軽にお問い合わせください。

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